教室の概要 | 研究の紹介

教室の概要 | 研究の紹介

 宇宙物理学とは、宇宙の様々な現象を物理学を用いて記述し、 我々の住む自然世界に対する理解をより一層深めることを目的とする学問です。その中でも当教室においては、在籍スタッフと研究員、大学院生が協力しつつ、主として以下の分野で最先端の研究を続けています。各グループは完全に分かれたものでは全くなく、研究内容によっては複数のグループに関連するものもあり、グループ間の交流もしばしば行なわれています。下線のある教員の名前をクリックすると各教員のより詳しい研究紹介を見ることができます。


太陽物理学

担当:浅井 歩上野 悟永田 伸一
 太陽大気の構造および太陽活動現象に関する研究を行っている。主力の観測装置は理学研究科附属飛騨天文台の 60cm ドームレス太陽望遠鏡および太陽磁場活動望遠鏡であり、これらによる高分解観測を中心として、太陽外層大気の振動現象、微細磁場構造、彩層・コロナ加熱、フレアに代表される太陽活動現象のエネルギー蓄積・放出・輸送機構の解明等、恒星や銀河の磁気プラズマ活動現象の研究にとって基本となる研究を行っている。最近はまた、ひので衛星、米国 NASA の太陽極紫外線衛星や、国立天文台および海外の太陽望遠鏡との協同観測解析をすすめている。

太陽・宇宙プラズマ物理学

担当:横山 央明野上 大作
 宇宙における電磁流体的な磁気プラズマ活動現象を、理論シミュレーションと観測データ解析の両面からアプローチする。扱う天体現象は多岐にわたり、恒星スーパーフレアや太陽フレアなどの爆発現象、太陽コロナ・太陽風やジェットのような宇宙高温プラズマの生成やダイナミクス、太陽・恒星の磁束生成ダイナモ過程などがある。さらには、星生成領域や銀河中心核まわりの降着円盤、銀河・銀河団の電磁流体現象もスコープに含まれる。

恒星物理学

担当:上田 佳宏野上 大作佐藤 文衛加藤 太一村田 勝寛磯貝 桂介
 主としてX線・可視光・赤外線による観測に基づいて、ブラックホールなどコンパクト天体における降着流やジェット、超新星・恒星スーパーフレアをはじめとする、広い意味での恒星の活動現象の研究を行うほか、系外惑星の観測的研究も行なっている。活動銀河核の構造や銀河・巨大ブラックホールの共進化も研究課題に含み、他分野と連携して研究を進める。XRISM、チャンドラ、ニュートン、NuSTAR などX線天文衛星のデータを用いるほか、可視観測には、国立天文台ハワイ観測所・すばる望遠鏡、岡山 3.8m せいめい望遠鏡、および理学研究科4号館屋上・40cm 望遠鏡などを用いている。

銀河物理学

担当:太田 耕司岩室 史英栗田 光樹夫木野 勝大塚 雅昭山本 広大
 銀河系および銀河での星間ガスの存在状態と星形成過程、および活動銀河中心部の構造についての観測的研究を行なっている。観測は国内外の光学赤外線望遠鏡および岡山 3.8m せいめい望遠鏡を用い、クェーサーの分光モニター観測や系外惑星探査なども推進している。理学研究科附属岡山天文台せいめい望遠鏡に関する技術開発、それに搭載する観測装置の開発、および光学計測・光学素子の開発的研究を活発に進めている。

理論宇宙物理学

担当:前田 啓一Shiu-Hang Lee川島 由依佐々木 貴教Lucy McNeill
 理論的に説明できていない宇宙物理現象を解明するため、理論的考察を行ったり、理論モデルを構築してシミュレーションの実行や観測データとの比較検討を通して新たな知見を引き出したりする分野である。学生は天文学、宇宙物理学全般の中から自由に専攻テーマを選んで構わない。当教室スタッフが主にカバーする領域は、超新星・超新星残骸、中性子星、ブラックホール、宇宙線物理、宇宙(流体)力学一般、星間物理学、恒星進化、惑星・衛星系形成、惑星科学、系外惑星大気など。